人の一生の間の心臓の鼓動回数は決まっているとも言われています。平均寿命が80歳、平均心拍数を80回/分とすると、一生の鼓動回数は33億回くらいになります。一説には15~20憶回という話もありますが。
激しい運動をして、心拍数が上がると、鼓動回数カウントが早くあがります。単純に考えると、心臓の寿命が早く来てしまうことになります。もちろん、若いころから運動をして心臓を鍛えている人もいれば、運動をまったくしない人もいますし、同じようにしていてもそもそも個人差もあるので、そう単純に寿命が決まるものではありません。
しかし、有酸素運動が効果的であることは広く知られており、今のところ否定的な意見も聞こえてきませんので、運動としては良いのだと思います。つまり、心拍数をあまり上げない有酸素運動するのが最も寿命を延ばす方法ではないかと思っています。様々な有酸素運動のうち、誰でもできる最も簡単な運動がウォーキングです。
仕事が忙しいとどうしても運動ができなかったり、忙しくなくても仕事終わりは疲れて運動もなかなかおっくうになります。休日は休日で「たまの休みだから体を休めたい」と思い、やはり運動をさぼりがち。日中仕事で移動をする機会が多い私は移動時間をうまく活用して運動も兼ねてしまおうと思うようになりました。
皇居の周りには多くのランナーが走っています。走りなれていかにも健康的に走っている人も多くいる一方で、今にも倒れそうな苦しい表情を浮かべて走っている人もいて、あまり健康的にみえなかったりもします。
そして、少なくとも私はジョギングをいきなり始めると、後者になってしまうことは明白です。
そこで、まずは歩く、「歩いて移動」しようということになります。
無理な歩きはしない
移動先に到着して少しポカポカした体をクールダウンする時間が取れる移動の場合のみ歩きます。クールダウンの時間確保には次のような方法があります。
①移動先まで歩いて時間を確保。
②途中まで歩いて、残りは交通機関を使って移動し、交通機関で移動中に休息時間を確保。
①は一番シンプルですが、その時間をわざわざ確保する必要があるのと、確保時間によってはどこかのお店で時間をつぶすなど時間的・金銭的に無駄が発生します。②はとても効率がよい方法です。
いつでも歩きを中止できるようにする
いざ歩き始めたものの、体調等もあり思いの他、歩くのに疲れた場合、いつでも中止できるようにしておく心のゆとりが大切です。つまり、移動手段が徒歩しかないところを歩いてしまうと、しんどくても歩かざるを得なくなり、これはかなりのストレスとなり、返って体に悪いです。
このようなことにならないために歩くときに考慮すべき重要なことがあります。サラリーマンの方で仕事での移動中にバスをチョイスされる方は比較的少数派だと思います。多くの人が鉄道での移動です。そして、実際、都内の場合はほとんどの場所は鉄道で速やかに行けますし、時間が読めますから鉄道が必然的に選択肢となります。
そこで、いつでも中止できるようにするために、歩くルートは東京メトロの路線上またはそれに近いところを歩くということです。JRや地上を走る私鉄沿線も歩けますが、橋やら川やら駅やらで意外と線路沿いには歩きにくいものです。しかし、地下鉄はかなりが大きな道路の下を走っています。つまり、その上の道路を歩けばよいわけです。
このようにルートを計画し、歩き始めたとき、万一疲れて途中でやめようと思った場合や予想していたよりも歩きに時間がかかり、途中でやめざるを得なくなった場合などは途中で地下鉄に乗ってしまえばよいのです。しかも、地下鉄の駅間は短いことが多いため、簡単に途中棄権できるわけです。
初めて歩いた方は地下鉄の駅間といえども遠いと感じるかもしれませんが、何度か歩いていると1駅なんてどうってことなくなります。
会社帰りに家の最寄り駅の2つ以上手前の駅で降りて家まで歩こうというような人も同じです。基本は線路沿いに歩きます。疲れて歩けない日は途中で電車に乗りなおせばよいのです。
このように考慮して歩くと、「いつでも止められる」という安心感はおのずと足取りが軽くなります。
かくいう筆者は依然、家の最寄り駅の2つ手前で降りて歩いて家に帰っていたこともありますが、そのルートは線路沿いではなく、バスもなければ、歩くしか方法がないルートでした。
体調により、途中で急にしんどくなり、止めたくなっても、もう歩いて家に帰るしか方法がないため、苦痛を焦りが出始めます。そのようなことが何回かあると、「今日はやっぱりやめておこうかな」などと都合よく自分を言い聞かせ、結局歩かなくなります。
雨の日は歩かない
基本的に仕事中の移動は、日ごろから歩きなれたところではないことが多いです。
雨の日、傘をさして慣れない道を歩くと、道を間違うことにもなりますし、傘をさして見通しも悪くなるため、歩きにくく、予想以上に体は疲れます。場合によっては、人とぶつかったり、傘が当たらないよう歩かなければならず、ストレスが伴います。
ましてや、お客さんに会うような場合、びしょ濡れはNGです。
だから、雨の日は「休息日」として、交通機関でガンガン移動してしまいましょう。
夏の晴れた日は日傘をさす
筆者は男です。2018年の夏現在では、都内で男性が日傘をさしている人はかなり少数です(雨傘をさしている男性は時々見ますが;^^)。
「日傘ぁ?」なんて思うかもしれませんが、昨今、男性ものの日傘も結構あります。男性がフェイスケアに対する意識が高くなりつつなるのと同様に、日傘への意識も高まりつつあります。
しかし、そんな人目を気にするような次元ではありません。夏場の都内は、ビルが多いので、日陰が多いと思われるかもしれませんが、思った以上に日向の方が多いです。日傘をささねば、熱中症のリスクもありますし、日焼けのリスクもあります。汗も死ぬほどかきます。
筆者も2018年夏から日傘デビューしました。初めて指すときは正直躊躇はあります(ほとんどの男性は日傘を指していませんし、「あいつ雨でもないのに、何傘さしてんの?」などという視線を感じることもあるからです)。
しかし、そんなのは最初の1,2回です。日傘の効果は絶大です。そっちの効果の方が心を動かし、今では全く周囲の目を気にすることなく、即座に日傘です。
サラリーマンなら、夏の雨の日も移動があるでしょう。「雨傘と日傘と2つも持てねえよ。」という方。安心してください。男性用の日傘の多くは雨傘兼用になっています。つまり、晴れの日は日傘として使え、雨の日は雨傘として使えます。このタイプの折り畳み傘をカバンに忍ばせ置けば、1年間無敵です。
夏場は午前中 or 夕方以降 or 1時間以内
夏場の都内の12:00~15:00の時間帯に1時間くらい歩いたことがある方はあまり多くないと思います。実際に歩くとよくわかりますが、この時間帯に1時間も歩くと、もはや有酸素運動の域を超えてしまい、体にはよくない状況に陥ることの方が圧倒的に多くなります。"熱中症"、”脱水症"などなど。
さすがに猛暑日に日傘を指していても、20分も歩くと、へとへとになります。これでは、後の仕事に影響が出ることは必至です。
夏場の午前中、都内のビルが多い地域は、うまく歩けば意外と日陰が多く、30分くらいなら連続して歩けます。日傘もなくてもおおむね大丈夫です(あった方がベターです)。
いざ!歩こう!
都内で鉄道によく乗られる方はわかると思いますが、山手線内側のエリアについては、どこを歩いても何かしらの鉄道に当たります。つまり、山手線内を歩く場合には、おおむねどこを歩いても、前述したような心配はなく、好きなところを歩いて好きなところで止められるというメリットがあります。
そこで、このコーナーでは、山手線内を歩くことに特化して、歩き時間などの情報を発信していきます。
おすすめルート
●皇居の東側
皇居の東側の領域は東京メトロの地下鉄が比較的密集しています。このエリアは、どこを歩いていてもすぐに何かしらの東京メトロの駅が見つかります。
そして、このエリアはビルが密集していますので、夏場の午前中は日陰も多いですし、ビル風も吹きます。
このエリアでのキーステーションは、東京メトロ丸の内線「淡路町駅」、東京メトロ銀座線「銀座一丁目駅」です。
東京駅から秋葉原にかけての地域は、淡路町駅からおおむね2000歩、時間で20分くらいで歩けます。このエリアは、丸の内線、銀座線、日比谷線、東西線などなど東京メトロの主要路線が密集していますので、気軽に歩けます。
東京駅から新橋方面の西のエリアについては、銀座周辺からどこへでも歩いていけます。キーステーションを「銀座一丁目駅」と書きましたが、「有楽町駅」などもあり、優劣つけ難い領域です。このエリアは、丸の内阿泉、銀座線、日比谷線、有楽町線などなどの東京メトロの主要路線が密集しています。
すなわち、このエリアはほぼ何も気にせず、気が向いたところを歩いて、疲れたら最寄りの東京メトロの駅やJRに乗ってしまえば良いわけです。好きなところ好きなように歩いて、目的地に向かうだけで済むとても気楽なエリアです。
参考として、このエリアをいろいろ歩くと、所要時間などは以下の通りです。
[a]淡路町~日本橋
約15分、2,000歩
[b]日本橋~飯田橋
約40分、4,000歩
[c]淡路町~新橋
約20分、3,000歩
なお、このエリア、鉄道を利用すると、徒歩のおおよそ1/3くらいの時間で移動できます。
このエリアへ移動してくる場合には、概ね1駅くらい手前で降りて移動先まであるけば、1,000歩、10分くらいが目安です。
●皇居の西側
皇居は山手線の東側に寄っていますので、西側が極端にエリアが広がります。東京メトロ、都営地下鉄の路線間隔、駅間隔も広くなる傾向にあります。
このエリアは、先に述べた通り、原則は東京メトロの路線に沿った道を歩く必要があります。
その中でも筆者がお気に入りなのは、
[a] 東西線:九段下~高田馬場の区間
この区間は早大生が"馬場歩き"と称する「早稲田~高田馬場」間が含まれます。途中には神楽坂などがあり、周囲を見ながら楽しく歩けるエリアです。アップダウンは激しいですが、小径が多いため、少し遠回りしたり、たまにはショップに寄ったり、家に土産を買って帰ったりなどの楽しみがあります。九段下から高田馬場までは、早歩きで1時間、5,000歩くらいです。早稲田と高田馬場間は結構距離がありますので、元気があるときは、歩きましょう。早稲田と九段下間は、神楽坂、飯田橋など少し駅間が近いので、苦になりにくいです。
[b] 丸の内線:淡路町~茗荷谷の区間
この区間は道路が広いこともあり、夏場は結構日が差しますので、夏場の長距離歩きはおすすめ出来ません。春秋などの穏やかな気候の時は、道路が広いため、結構すがすがしい気持ちで歩けます。淡路町から茗荷谷にかけては登り道が多いため、疲れた時にはおすすめできませんが、逆はまだましだと思います。淡路町から茗荷谷までは、早歩きで40分、4,000歩くらいです。
[c] 半蔵門~新橋の区間
この区間は特定の地下鉄に沿って歩くということではなく、どちらかというと、東京メトロの主要路線を横断するように歩くエリアです。このエリアは中央省庁が密集していますので、巨大なお役所ビルの間を歩いていくため、普段とは違う空間は体験できます。しかし、夏場は日陰はほぼありませんので、心して臨んでください。九段下から歩いた場合、霞が関あたりまで来ると、民間企業のオフィスビルなども密集し始め、なぜかホッとできる気がします。不思議と霞が関までくるとゴール感があり、安心できます。この区間は1時間くらい、5,000歩くらいです。
このエリアは、どちらかといえば、目的地の手前までは体調と時間が許す限り歩いて、途中から目的地までは交通公共機関にのり、その間に体を休息させる方がよいでしょう。
目的地まで歩いた時、休息するための場所や店もそんなに多くないリスクがあります。
最も、筆者は健康のために歩いているのに、目的地で時間が余って言えるからといいって休息のためにお店に入って、多少なりともコーヒーやその他飲食などのカロリー接種したり余計なお金を使うのを避けるため、東京メトロの目的地の最寄り駅のホームのベンチで時間を潰すことが多いです。夏場はエアコンも効いていて快適ですし。